キリン スプリングバレー サマークラフトエール＜香＞を飲む
大手がクラフト名乗る違和感
以前のエントリで、これ第3のビール系だったら買うよねって話でした。
実際のところをいうと、今回のサマークラフトエールは正直そのレベル。
クラフトビール？にしては安い、一般的なビールより少し高いけど、お得。
でも正直今回はお得でもなんでもない。
大手が「クラフト」名乗るって違和感がずっとあったので、ちょいとまとめようと思ってます。
なので、これからあんま良いこと言わない、というより全く言わないので、良いところを今のうちに言います！
エールタイプの複雑さを、スッキリ飲ませるためのアクセントとして良い具合に落としこんでる、非常に飲みやすいビールと言えるだろう。
正直大手の技術ってすげーなって感じはする。
これは本当にやろうと思えばなんでもできるんだって意思を感じる。
でもさ、このスプリングバレーって商品全体的に、この「クラフト」はいろんなタイプのビールを作る免罪符的に使用してるんだよね。
技術を試してるっていうか、試験的っていう名目を「クラフト」と置き換えてるっていった方が適切かもしれない。
「クラフト」とは大手のものではない。
そもそも「クラフトビール」とは何か？
詳しくはこちらのサイトを参照してください。
「クラフトビール」（地ビール）とは « 全国地ビール醸造者協議会
要は地ビール＝クラフトビールって事です。
言葉だけの意味だとね。
僕が勝手に考えるの「クラフトビール」は、独立系プリュワリーの聖域だと思ってる。
20年くらい前の「地ビール」って正直美味しくなかったじゃないですか？
お土産にどうぞ！味の保証はないよ！的な感じだった。
それが、独立系のブリュワリーが頑張って、美味いの作ってその不味い（すみません）ビールとの差別化で、クラフトビールという言葉を輸入したって事だと思うのよ。
クラフトビールはそう言う人たちが必死になって価値を創り上げてきたのよ。
そんで、あえて"美味い地ビール"と銘打って地ビールも相対的に価値を上げ、地ビール＝クラフトビールを盛り上げてきた。
クラフトビール（エール）とはそれに関わってきた人たちの"感性と創造性の領域"なんだよ。
だから、大手は絶対に手を出してはいけない領域と思っている。
解釈し直せば、大丈夫なんてものではない
それじゃあ、なんで聖域を犯したのか、それはクラフトビールをどのように受け止めているかということなんだと思うんです。
キリンが考えている「クラフトビール」とは
当社は、クラフトビールを『おいしさにこだわった造り手の感性と創造性が楽しめるビール』と考えており、ビールの魅力化・市場の活性化に向け、2021年3月にクラフトビールブランド「SPRING VALLEY」を立ち上げました。基盤商品である「SPRING VALLEY 豊潤＜496＞」は、お客様から「とにかくビールの概念を変えてくれたビール」「このおいしさは別格」など大変好評をいただき、クラフトビール市場をけん引しています。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000687.000073077.html
"クラフトビール市場"とはまさにその領域であり、それを牽引しているとまで言っている。
すごいよねこれ。
「クラフトビール」はアンタ方のフロンティアではない。
俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの的発想が正直嫌い。
しかも、他のクラフトと比べて若干安くしているところもいただけない。
それと、最低でももっと美味いもの作っとけよと。
試験場にして荒らしてんじゃねーよって話。
僕の好きなビールは一番しぼりを飲む。
僕の一番好きなビールは「一番搾り」です。
いただきます。
いつもありがとうございます。非常においしいです。
媚びてるわけじゃないですよ。
一番飲んでるのが一番搾りなのは本当です。大手の中でも一番好きなビールです。
これだけ作っとけなんて思ってもいない、色々なビールを作って僕らを楽しませてほしい。
本当にそう思ってる。
今回の一件は大手の嫌な部分、剛田主義と言うか、都合の良い部分だけ掻っ攫って、新たな市場的に人が培ってきたものを、"俺たちの"と平然と言うその傲慢さが出たと感じたんです。
今回のサマークラフトエールだって、夏用のセッションエールだったわけで、それで売ればよかっただけ。
アメリカのクラフト市場が飽和状態で、立ち上げより、撤退が増えている状況になったとのこと。
日本のビール市場の将来が大変で、売れるためならと言う現状もわかるが、日本のクラフト市場を潰すようなことなく、一緒に盛り上げようとする努力をお願いしたい。
長くなったのでこれにて
